私は結婚後、3年してから子供が産まれました。
とても嬉しくて、生活にハリが出てきて、充実した毎日を過ごしていました。
それから1年後、初めての出張業務に行くことになったんです。
出張期間は2ヶ月で、一旦帰ってきて3日後に約2ヶ月の、合計4ヶ月の出張。
初めての長期宿泊出張で、不安も大きく、更に子供が産まれて1年という、子供とは離れたくない時期での長期出張で、気持ちが荒れ気味になっていた記憶があります。
出張メンバーには恵まれ、先輩たちもいい人ばかりで、出張先のお客さんもいい人たちばかり。仕事は非常にやりやすかった。
が、拘束時間が長くて、精神的にも肉体的にもストレスがたまり、疲弊していました。
出張業務に就いて1週間。先輩たちに
「ストレス発散しにパチンコに行こか」
と誘われました。
その当時、私もパチンコは好きだったので、一も二もなく「ハイッ」と返事しました。
その当時の1日のタイムスケジュールはこんな感じです。
5:30 起床
6:00 朝食
6:30 宿を出発
7:00 現場着
8:00 仕事開始
20:00 仕事終了
20:30 宿着(すぐに晩ごはん)
21:00 パチンコ(閉店まで)
23:00 宿へ帰る
23:30 風呂
0:00 就寝
まぁ、ストレス発散どころか、疲労を蓄積させるようなスケジュールを過ごしていました。
まだ33歳と若かったので耐えれたんでしょう。
前置きはそれくらいにして、墓穴を掘った話を。
そうれはもう毎日毎日パチンコ三昧。
家では嫁が一人で育児をしているのに、私は(仕事を頑張っているとはいえ)パチンコ三昧。いつも後ろめたい気持ちが心の片隅にありました。
パチンコ通いをしていたある日のこと。残り玉も中途半端だったので、景品交換で『Gショック』に換えました。
本物なのかどうか分かりませんが、初めてのGショック。
3K職場でも十分に活躍してくれた『Gショック』、4ヶ月の出張業務が終わる頃には愛着が湧いて、もう体の一部のようです。
長い出張業務を終え、久しぶりに自宅に戻るとすぐに読めは『Gショック』に気づきます。
「その腕時計、どうしたん?」
体の一部と化していた『Gショック』。家に帰ってそういう質問がくることを想定しておらず、(育児を頑張ってくれていた嫁に対して、いくばくかの後ろめたさもあって咄嗟に)
「あぁ、先輩がくれてん。暗い場所で仕事してたら、デジタル時計で光るタイプの物を持ってんとアカンやろって言って」
と、気のいい先輩がくれたことをアピール。
その時は不承不承ながら嫁は納得しました。
時は過ぎ、1歳だった娘も18歳を超えた頃。
ずっとその『Gショック』を愛用し、ホントに重宝していました。
そんなある日、何かの話の流れの中で、時計の話になり、思わず私は言ってしまいました。
「このGショック、パチンコの景品やけど、18年経ってもまだまだ使えてるで」
と。
その言葉を聞き逃すことなく嫁は
「えっ?それって先輩に貰ったんちゃうん?」
とツッコんできます。
一瞬何を言ってるのか分からなかったんですが、すぐに思い当たり
「あっ、いや、その、え〜っと・・・・・・。ゴメン。育児が大変なのに俺は出張先でパチンコしてたって言いにくくて」
と素直に謝りました。そして
「もう18年前の事やのに、よう覚えてたな」
というと
「そんな良い時計をくれるなんて、太っ腹な先輩やなぁって思っててん」
と、違和感を持っていたようでした。
嫁から追求されたわけでなく、18年後に自分から真実を語ってしまう。
男って詰めが甘いですね。
嫁の記憶力に驚かされた出来事でした。