中学生の時のこと。
その頃は『たのきんトリオ』が全盛で、同級生の女子は『たのきんトリオ』に夢中な子が多かった。
今のようにジャニーズから何組もアイドルグループがデビューしているわけではなく、少数精鋭のイメージがあります。
『たのきんトリオ』とは、田原俊彦さん、野村義男さん、近藤真彦さんの事。
3人の名前から『田・野・近』で『たのきんトリオ』。
同級生女子は熱狂してたなぁ。
そんな『たのきんトリオ』が一世を風靡していた中学生時代、私は同級生の女子とお付き合いすることになりました。
淀川にデートしに行ったり、学校帰りに話をしたりと、良いお付き合いをしていました。
その彼女、もう熱狂的な『トシちゃんファン』で有名な子で、学校帰りの話の中でも『トシちゃん』の話題が多く出ていました。
ある時、彼女が私にこう言いました。
「びだくんってトシちゃんに似てる!!」
と。
私はキョトンとしました。だって誰がどう見てもトシちゃんには似ても似つかない顔をしています。私が似ていたのは(時代は重なっていませんが)『見栄晴くん』です。
当然、私は
「どこが?似てへんやろ」
と言いました。すると彼女は、
「ううん、似てる似てる。ほらこの角度から見たこのラインがそっくり」
とアピールします。
そのアピールに私は愕然としました。
だって彼女がアピールした”ライン”は、後ろ斜め45度から見た顎のラインだったから。
もうどう見たって『無理矢理感』が半端ありません。
ハッキリ言ってこじつけですよね。
どうにかして自分の彼氏とトシちゃんの共通点を見出したいという、これも乙女心なのでしょうか?
何で後ろ向かされて、45度だけ首を動かされて、「このライン」って顎のラインを触られないといけないのか、理解に苦しみました。
今となっては良い思い出です。
その日以来、笑い話のネタに使わせてもらいました。
「俺、トシちゃんに似てるって言われてん」
と言って、パッと後ろを向いて首を45度動かして、顎のラインをさすりながら
「このラインが似てるらしいわ」
と。
ほぼ百発百中で鋭いツッコミが返ってきます。
「もうトシちゃん感があれへんやん」
仰るとおりです。