私は”方言”がものすごく好きです。
(東北や九州の方言はわからない言葉が多いんですが、それでも好きです)
私は大阪で生まれて育ち、結婚して京都に移り住みました。
ですので、関西弁が私の”標準語”となっています。
今回は、その関西弁が通用しなかった、という話です。
あれは娘が生まれて1年ほど経った頃の事ですから、今から19年前の話です。
会社から岡山の水島へ2ヶ月の出張を2度行ってくれ(合計4ヶ月)、との業務命令が下り、出張生活を送ることになりました。
2ヶ月の出張を終えたら一旦大阪に戻り、1週間後にもう一度2ヶ月の出張へ行くという、あまり気の進まない出張。仕事内容も本来業務ではないのも手伝って、嫌々な気分で仕事していました。
しかし、そんな嫌な気持ちで出張に臨みましたが、行ってみるとそんな気分をいい意味で裏切る、とても充実した出張生活になりました。
というのも、一緒に行ったメンバーがいい人たちで、慣れない仕事に四苦八苦する私をよくフォローしてくれました。
また、現場ハウスには大手メーカーの人達がいましたが、その方たちもいい人ばかり。
大手メーカーの人は1年のうち250日程度は出張業務という、全国各地を股にかける人たちばかりなので、私のようなものにも寛容なんです。
その現場ハウスには、現地で採用された事務員の方が居られました。
私より年上でしたが、声の可愛らしい、とても優しそうな方。
普段はほとんど話をする機会がありませんでしたが、帰阪する日が近づくと、話をする機会が出てきます。現場ハウス内の掃除とか、荷物発送の依頼のときなどにね。
そして今回のブログタイトル『ほっといてください』が通じない、ちょっとした事件がありました。
もうあと数日すれば大阪に帰る、というある日、現場ハウス内を掃除していると、事務員さんが手伝ってくれました。
トータルで約4ヶ月使わせてもらったハウス内をみんなで和気あいあいと掃除をしていたんです。
その時に事務員さんが
「この紙はどうするの?」
と問いかけられたので、私は普通に
「ほっといてください」
と返事をしました。
すると、妙な間があって、事務員さんの方を見るとキョトンとされていました。
その顔を見て、私もキョトン。
3テンポほど遅れて事務員さんが気づいてくれました。
「あぁ、捨てるのね」と。
その返事を聞いて私も
「あ、そうです、そうです、捨てといてください」
と言い直しました。
『そうか、”ほっといてください”って”構わないでください”という意味にもとれるもんな』と納得しました。
そう、関西ではゴミを捨てる事を
『ほって』・『ほっといて』と言います。
その時にそんな事があったので、改めてその『ほって』・『ほっといて』という言葉を考えてみました。
『ほって』・『ほっといて』は『投げて』や『構わないで』、『(穴を)掘る』などの方が一般的だと気づきました。
それまで何気なく使っていた言葉が通じなかった時に、ちょっとしたカルチャーショックを受けますね。
あの時、「ほっといてください」と言った時に事務員さんはどう思ったのか、すごく気になったので帰阪する日に聞いてみました。
すると「構わないで」って言われた、と思った。ゴミをどうするか聞いたのに、「構わないで」ってなんなんこの人?って思った、と。
方言ってなかなか面白いですね。
岡山県でも伝わらないんですから、この『ほって/ほっといて』はどのへんまで通用するんでしょうかね。