この時期、急に暑くなって体が追いつきませんね。
それは人間だけでなく、動物たちも一緒なんだ、と感じた出来事について書きます。
今から8年ほど前の事。
現在も続いている『出向先』での仕事をしていた時のことです。
春が駆け足で通り過ぎ、余韻に浸るまもなく梅雨の蒸し暑さが襲ってきました。
現場作業をしていても蒸し暑く、汗が止まらなくて暑さに順応する時期でした。
出向先の職場は、川の土手のすぐそばにあり、四季を感じれる場所にあります。
その建屋は、かなり広いわりにトイレは1箇所(各建屋にトイレは1つ)しかなく、しかも男女共用。
我社の女子社員が手伝いに来てもらうと、気を遣ってしまいます。
(力仕事が多く、理系の仕事ですから、女性率はかなり低い)
トイレの入口にはドアがなく、オープンの状態。
トイレにはいると、男性用の便器と洋式トイレが1つあります。
ほぼ同じメンバーしか使わないので、利用者の9割9分が男性です。
で、ある日洋式トイレを使おうと、個室に入りました。
洋式トイレの状態はこんな感じ。
フタが上がっている状態なんです。
我が家でこの状態で放置していると、嫁の小言が発動しますので、閉めた状態にしていますが、職場ではこの状態がデフォルト。(私は律儀にフタは閉めます)
すぐに用を足して服装を直し、水を流そうとレバーに手をかけ、水を流しました。
レバーを下に倒した瞬間、体が少し前に倒れて、便器のフタの裏側が少し見える姿勢になった瞬間、頭が認識するより早く体が反応し、5mほど後退りました。
呼吸は早く肩で息をし、混乱している頭を整理します。
幸いにもレバーを倒せたおかげで、ニオイを撒き散らす『物』は流れていました。
『もしかして、一瞬目に入ったものは俺の大の苦手のアイツじゃないか?』
と、思い至ると体が震えだしました。
その震えは苦手な物に遭遇した『恐怖』と、そいつのすぐそばに手をおいたにもかかわらず、何事も無かったことに対する『安堵』が入り混じった震えでした。
苦手だからと、それを放って置くことはできません。
とりあえず『一瞬見えた物』の正体を確認すべく、便器のフタを倒すことにトライ。
長い棒状の物を持ってきて、フタを倒し正体を確認!!
するとそこには・・・・・・。
『ヘビ』がいました。
当然写真を撮る余裕もなかったので、写真はありませんが、『ヘビ』がいたのはココ。
茶色でグチャグチャと書いた部分に奴はトグロを巻いていました。
正体は確認した。さぁ、次はどうするかを思案。
まぁ、思案するまでもなくトイレから出さなくてはなりません。
柄の長い虫取り網があったので、それを使って捕獲を開始。
その頃には他の作業員も見物に来ます。
必死になって網をヘビに近付けますが、ヘビは動じることもなく、かといって攻撃態勢に入るでもなく、動きません。
網でヘビの体をツンツンしながら、なんとか網に入れることができて、喜んだのも束の間。そのヘビをどこに逃がすか、で作業員間で一悶着。
結局、私の意見が通り、土手の草むらに逃しました。
大騒動の後、爬虫類好きの若い女性社員に電話し、ヘビの特徴を伝えてそのヘビが何なのかを聞くと、『マムシ』でしょう、という返答。
大捕物中も作業員からは『マムシ』というワードが出ていましたので、マムシなんでしょうね。
その彼女からは
「ヘビも暑いんですから、涼ませてあげたら良かったじゃないですか」
という言葉をもらいましたが、聞かなかったことにしました。
それ以来、個室を使う際には必ずフタを倒して、何もいないことを確認して使用しています。
この時期になるといつも思い出してしまう出来事でした。