今週のお題「キャンプ」
以前、バイクツーリングでの出来事を書いた記事があります。
基本バイクツーリングはソロでしたので、ソロキャンプになります。
ソロキャンプでの一番の恐怖体験はこちらです。
野犬に囲まれ、人生で初めて『死』を意識した出来事でした。
思い起こせば、バイクで日本のあちこちをツーリングしましたが、7割方はテント泊でした。
テント泊をしていると、いろんな動物や虫に出会います。
ゴールデンウィークに九州一周を計画し、大阪から陸路で九州に向かっていた時、広島県のとある無人駅の待合室で寝ることになりました。
シュラフをだしてくるまり、夜が明けるまで仮眠をしていましたが、夜中に顔をなにかに舐められている感覚がしたので、眠い目を無理やり開けてみると(多分薄目状態だったと思う)、犬が3匹いて、その1匹がぺろぺろしていたんですね。
頭の中では『うわっ、怖い!やめてー』と絶叫状態ですが、仕事を定時間行って、すぐに一般道を走ってきたため、体は鉛のように重くて、実際は『うぅ』という声を発して寝返りしただけ、という結果に。それでも3匹は立ち去ってくれました。
ムカデが入っていることも多々あり、テント泊は非常にエキサイティングでした。
北海道では寝ている間にライダーグローブ(革製)が無くなっていたり(多分狐のしわざ)、見たこともないのに『ヒグマ』の存在にビビってしまっていて、目的のキャンプ場に辿り着かないときには、民宿を探して泊まったりと、自然を感じることがいっぱい。
動物や虫たちと遭遇することで、少しは度胸もつきましたが、それ以上に『キャンプツーリング』で良かったな、と思うことは、いろんな人と出会えて、人の温かさに触れることが出来たこと。
行く先々で親切にしてくれて、すごく気持ちが温かくなった事を思い出します。
高野山では、突然土砂降りの雨に降られ、大きな家の軒先で雨宿りをしていたら、そこの若奥さんが「バイクで来たん?家に入って休んでいき」と声をかけてくれました。
赤ちゃんを背負った若奥さん、ホントに親切で「風呂沸かしたから入っていき」とお風呂まで入らせてもらい、ビショビショの服まで乾かしてもらいましいた。
話を聞くと、どうも私の家に近いところから高野山まで嫁に来られて、久しぶりに大阪の人と話をした、ということで嬉しくてもてなしてくれたそうです。
表札に書かれている住所をメモして(昔は表札に住所が書かれていた)、後日お礼の手紙とビール券(ご主人が好きだ、という事だったので)をお送りしました。
愛媛県では、テントを張れる場所が見当たらず、仕方なくラブホテルに宿泊(田舎にあるラブホテルはソロツアラーには貴重)。
小さな家がいくつもあるような作りのラブホテル。
有料ビデオを観ようと、百円を入れましたが反応せず。
もう一枚入れても反応しなかった。
かなり躊躇しましたが、フロントに電話して反応しない旨を伝えると、おばさまが来てくれました。
いろいろと試しますが写りません。するとおばさま、オーナーに電話をして来てもらうことになりました。だんだん大事になってくる事態に、私はかなり恥じらいを感じましたがどうしようもありません。
オーナーが到着し、やはり写らなかったので
「すいません、ビデオは壊れてますので、返金します。部屋を写りますか?」
と言われましたが、恥ずかしくて
「いえ、いいです」
と断り、オーナーとおばさまが帰った後、風呂に入りました。
しばらくすると、おばさまが部屋に来て
「お兄ちゃん、バイクで旅してんの?洗濯物あるやろ?出し。洗濯するから」と。
丁重に断り続けましたが、二十歳そこそこの世間知らずの男が、人生経験を重ねたおばさまの圧に勝てるはずもなく、洗濯してもらうことにし、翌朝に部屋まで持ってきてもらいました。
と、ホントにいろんな人に親切にしてもらいました。
行く先々で「おっ、バイクかいな。俺も昔は乗っててな」と、ジュースを買ってもらったり、団子を買ってもらったり。
潮岬では、缶詰を温めて『よし食べるぞ』と勢いよくフタを開けた瞬間、カナブンが飛んできて缶詰にダイブして食べれなくなり、ご飯が食べれなくなって困っていると、見ず知らずのバイクツーリングをしている人たちが、自分たちの食料を分けてくれたり。
ホントに『人の温かさ』を感じられる、いい旅が出来たと思っています。
許されるなら今でもキャンプツーリングに出たいくらいです。
最近は暗いニュースが多く、人に親切に接することが薄れている(というか、犯罪に巻き込まれないかと心配になる)ように感じます。
今一度、バイクツーリングをして『人の温かさ』を感じたいなぁ、と思っている今日この頃です。