仕事をしていて楽しみの一つに『昼ごはん』があります。
以前は嫁が弁当を作ってくれていましたが、最近は別居していることもあり、もっぱら弁当屋さんに頼っています。
予算550円で『今日はこの弁当にしよう』とか『今日は絶対この弁当』と、メニューを考えるのが楽しみ。
半休を取った日には『大阪駅まで歩いて、あの店に行こう』とか『久しぶりにあそこの洋食を食べよう』などと、仕事そっちのけで昼ごはんのメニューを考えています。
そんな私なので、昼ごはんを毎日同じ物を食べる、というのが不思議でありません。
職場で遭遇した3名について書いてみます。
1人目。某大企業に出向していたMさん。
ある日某大企業から我社の営業あてに電話があったそう。内容は
「Mさん、いつも昼休みに『焼きぞばUFO』ばかり食べている。体が心配やから注意してあげて欲しい」
という事でした。
えーっ、『UFO』しか食べへんって、どういうことなん?変わってる人やな、とこの時は思いましたが、後に営業から詳しい話を聞いて納得しました。
電話があった日から数日後、営業がMさんのもとまで行き、話を聞いたそうです。
するとMさんはこう言ったそう。
「母親の介護にお金がかかるから節約のため『UFO』を食べている」
と。
いまから20年前くらいの話ですが、少し衝撃を受けました。というのも、その当時私は35歳前後。親の介護なんて考えたこともありませんでしたから、ちょっと考えさせられました。
その後の話は入ってこないままMさんは定年退職されました。
2人目。出張先でのHくん。
15年ほど前の事。大阪本社の仕事で坂出市に3週間ほど行っていました。
ホテルは素泊まりで、3食自分で用意する必要がありました。
総勢8名で行っていたのですが、私の相方になったのはちょっと変わった感性を持つHくんでした。
仕事先には昼ごはんを持っていく必要があり、朝にホテルを出発する前にコンビニで昼ごはんを買っておきます。
Hくん以外のメンバーは、カップ麺を買ったり、弁当を買ったりするのですが、メニューを工夫して、飽きないようにしていましたが、Hくんは3週間ずっと同じメニュー、ローソンの『のり弁当』でした。
あまり人の食べている物を見ないようにしていますが、3週間も同じ物を食べていると気が付きます。Hくんに
「なんや、毎日同じ『のり弁当』かいな。飽きひんか?」
と聞いてみました。
「そうですよ。毎日のり弁です。あきませんか?」
「アカンことないけど飽きひんかな、と思って」
「飽きひんから毎日買ってるんです」
という回答でした。
なんかゴメン、と謝っておきました。
3人目。2年目のKくん。
これは現在進行系。
私は大阪本社にいる時は毎日弁当屋さんに行っています。
Kくんも同じ弁当屋さんに行きます。
しかしKくんは弁当屋さんで私と顔を合わせても挨拶しない、話もしないおとなしいタイプ。
私は毎回違うメニューを注文しますが(と言っても週が変われば同じようなローテーションになってしまうんですが)、Kくんは毎回同じものを注文。
それは『のり弁当』。
今ではKくんが、その弁当屋さんに入店した瞬間、店員さんが
「のり弁当ですね」
というくらいの事になっています。
なぜ毎回『のり弁当』なのか、飽きないのか、いろいろ聞きたいことはありますが、ちょっと聞くのが怖い。
というか、ベテラン社員からそんな事を聞かれたら、超おとなしい性格のKくん、萎縮してしまうんじゃないか、と思っています。
と、同じメニューを食べ続ける人について書いてみました。
ひとそれぞれ理由があるんでしょうが、食べてて飽きないのがすごいな、と感心しています。
食べることが大好きな私にはとうてい出来ない事やと思います。