突然ですが、皆さんは『歩道』のどの辺りを歩きますか?
幅の広い歩道で、端っこを歩く人、真ん中を歩く人、前から歩いてくる人を避けながら歩く人など、歩き方も人それぞれだと思います。
ただ、歩道はどこを歩いても自由のはず。よっぽど変な歩き方をしない限り『怒られる』ことはないでしょう。
それがどういう訳か『怒られてしまった』、その話をしたいと思います。
今から30年ほど前の話。
私は整備士を辞職し、プログラマーに転職しました。
2ヶ月の研修を終え、すぐに松山へ行くことになりました。
月曜の早朝に伊丹空港から飛行機に乗り松山へ行き、1週間仕事をして金曜の定時後に松山空港から大阪に帰る、という生活を8ヶ月続けました。(ホントは2年ほど行く予定だったんですが、松山のビジネスホテルで死にかけてしまい、外されてしまいました)
転職し、すぐに出張するという、整備士時代とは正反対な仕事に、戸惑うことばかり。
整備士は『肉体労働』、プログラマーは『頭脳労働』と、真逆の仕事内容に、体に変調をきたすこともありました。
ようやくそんな生活に慣れてきた時、仕事を終えてホテルに戻る前に食事に行きました。ホテルからは徒歩で10分ほどの洋食店だったと思います。
美味しい食事をいただいて、幸せな気分でホテルに戻る時のこと。
ビジネスホテルは松山市の中心地にあり、夜は人通りがほとんどいません。
その夜もひっそりとした暗い歩道を歩いていました。
私は歩道の真ん中を歩くタイプです。
その時も薄暗い道幅の広い歩道の真ん中を歩いていました。
30年ほど前のことですからイヤホンなんかはしていません。周囲の音はしっかりと聞けていた状態です。
トボトボとホテルまで歩き、もう少しでホテルだという所で、歩道の真ん中から左側に進路を変更したんです。
すると、それを待っていたかのように自転車が後ろから私にぶつかってきました。
私は何が起こったか分からず、頭の中は「????」でした。
すると、その自転車に乗っていたおじさんが一言
「真ん中歩くなや!!」
と怒鳴るなり、そそくさと自転車に乗って去っていきました。
私はしばらく『真ん中歩くなや?どういうことや?歩道って真ん中歩いたらあかんのか?松山では歩道の真ん中は歩くの禁止なん?』と、放心状態。
よやく事態を飲み込めて、『あぁ、歩道の真ん中から急に左に進路変更したから、追い抜こうとした自転車が対応できへんかったんか』という理解に至り、もう少し周囲に気を配らんとあかんな、と反省しました。
ただ、そのおじさんも自転車のライトをつけていなかった(と思われる)ので、お互い様や、とも思いました。
幸い、ぶつけられた箇所は大事に至らず、軽症にもならないほどでした。
あれ以来、歩道の端っこを歩くことを意識していますが、気がつけば『真ん中』を歩いているという、反省が生かされない性格な私でした。