54年も生きていれば聞き間違いなんて山のようにあります。
恥ずかしくて顔を真赤にして俯いたり、恥ずかしさをごまかそうと、怒ってみたりと、いろんな反応をしていました。
そんな聞き間違いの中でも、未だに覚えていることを紹介したいと思います。
まず第一回目は『帰り箕面行く?』です。
今から30年ほど前のこと。
その当時は大阪で某カーディーラーで整備士をしていました。
入社3年目の秋、その某カーディーラーで労働組合主催のソフトボール大会がありました。各営業所ごとにトーナメント戦で試合をし、親交を深める、というもの。
私は同期A・B・Cの3人と一緒に同期Aの車に同乗して参加しました。
場所は吹田市にある万博公園でした。
調子乗りが集まった私達同期4人組は、一日中はしゃぎまわり楽しんだんです。
夕方4時ころに終わり、私達4人は駐車場に向かいます。
その道々
「ソフトボールおもろかったなぁ」
「いやぁ、疲れたわ」
などとソフトボールの感想を述べながら、車を駐車しているスペースまで行きました。
車の運転手は車の持ち主でもある同期A、私は助手席に、同期Bと同期Cは後部座席に座ります。
エンジンをかけるとカーラジオのFMから音楽が流れました。
その音楽は洋楽で、よく聞いたことのある曲でした。
というのも、いつも整備士が働いている場内では、FMが流れていて、いつも音楽がかかっているという、とても環境の良い職場だったので、あまり洋楽を聴かない私でも、その頃に流行った洋楽はよく覚えているのでした。
曲は知っていても、アーティスト名は知らないということは多々あり、その時も
『あっ、この曲知ってる!でも誰が歌ってんねやろ?』
と思い、同期Aに聞いたのでした。
「これ歌ってんのん、誰?」と。
その言葉と同時に後部座席の同期Bが
「このあとどこ行く?」
という言葉がかぶりました。
そして私が質問した相手、同期Aは答えました。
「帰り箕面行く?」と。
私はそう聞こえました。というのも同期Bの「このあとどこ行く?」という言葉が私の耳に残っていたので、それに答えた言葉だと思いました。
万博公園から箕面まで近かった、という事も『聞き間違い』が起こった原因だと思います。
私は答えました。
「嫌や。行けへん」と。
同期Aはしばしポカンとして、
「どこに行けへんのや!」
と聞き返してきました。
私「箕面に行って何するん?」
同期A「誰が箕面行くねん」
私「えっ?だって『帰り箕面行く』って言ったやん」
同期A「アハハハハ・・・・・」
と、しばし腹を抱えて笑っています。
私は意味もわからず笑われて少しお怒りモード。
同期A「お前が『これ誰が歌ってんの?』って言うから答えたんやんか」
私「その答えが『帰り箕面行く』か?訳わからんわ」
同期A「真剣に言ってる?ギャグじゃなしに」
私「うん、真剣やわ」
勘のいい人なら何を聞き間違えたかピンときたかもしれません。
同期Aはこう言ったのでした。
「カイリー・ミノーグ」
と。
カイリー・ミノーグ・・・カエリーミノオグ・・・・・帰り箕面行く・・・・。
バンザーイ、バンザーイ。
車内は大爆笑の後、地元のプールバーに向かったとさ。