私は時々、火力発電所や化学工場に仕事に行きます。そこはかなり閉鎖された場所で、構内に入るのもかなり厳しくなっています。
仕事内容は、所謂3K現場です。仕事をするときの服装は、今の新型コロナウイルスの検査をされている医師や看護師の方々のような防護服ようの物を着て、更にヘルメット・安全帯・安全靴をつける、という格好で仕事をしています。
どうしても危険が伴う仕事なので、各社とも安全教育には非常に力を入れています。
仕事をしに行っても、初日はほぼ安全教育で潰れるくらいです。
そこで心に残った言葉が『1mは一命取る』という言葉です。
その意味は、言葉の通り1mの高さでも転落すれば一命を取ることもある、という意味です。1mの高さに上がったら、頭の位置はそれに身長分が足されて約2.5mくらいの位置になります。落ち方が悪く、頭から転落すれば最悪の場合、命取りになってしまうことがあるんです。
この言葉を聞く前までは、1mの高さを完全になめきっていました。転んでも打ち身や捻挫くらいだろう、と。実際、若い頃は身のこなしが良かったので、大事に至ることはありませんでした。
しかし、現場で少しの高さのところから落下して怪我をする人は結構います。
怪我の程度も様々です。軽ければ足の指の脱臼、重ければそれこそ寝たきりになるような大きな怪我になる可能性がある転落の状況も目撃したこともあります。
現場作業では、常に気をつけて作業しているので、案外、落下や転落というのはあまり見ることはありません。
日常生活ではどうでしょうか?
電球の交換をする際、換気扇の掃除をする際、天袋への収納をする際、しっかりとした台に乗って作業していますでしょうか。すぐに済むからと、安定の悪い椅子や台を使って作業していませんか?
高い場所は高層ビルの屋上や橋の上など、明らかな高所の場合だけではありません。
身近な場所にも高所は存在ます。少しの注意と準備で危険の目は摘めます。
簡単な作業だから、台を用意するのは面倒くさいから、時間がもったいないから、と手を抜くと一生を台無しにするような大怪我を引き起こす可能性があります。
若い人は、反射神経がいいので大きな問題にならなかった事も、年齢を重ねてくると少しずつ足元がおぼつかなくなります。若い頃の感覚でいろんな高所作業をしていると、いつかは怪我をすると思います。
用心をすることに”やりすぎ”はありません。
高い場所での作業はくれぐれもご注意ください。