社会人になってから『馬鹿穴』という言葉を初めて聞きました。
馬鹿穴ってどんな穴なのかを見ていきたいと思います。
初めて聞いた時
高校(普通科)を卒業後、やりたいことが見つからなかったため、就職せず職業訓練校の自動車整備科に行き、1年在学した後に、某大手自動車メーカーのディーラーに就職し、整備士として働き出しました。
整備士として働いているときに先輩から
「このマフラーの取付ボルト、腐ってしもてるから、頭とばして馬鹿穴開けとけ」
と言われました。
その時が初めて聞きました。
最初は先輩の冗談だ、と思い”ハハハッ”と愛想笑いをしました。
すると、当然のごとく先輩に真剣に怒られました。
「何笑っとんねん!さっさと馬鹿穴開けろ!!」
「・・・・、馬鹿穴ってなんですか?」と蚊の泣くような声で質問。
今度は先輩が苦笑し、
「そうか、馬鹿穴がわからへんのか」
と言って教えてくれました。
馬鹿穴とは?
ボルトを通すときに、ボルトよりも少し大きく開けたの穴のこと、です。
日常生活の中ではあまり目にすることもないし、目にしたとしても気に留めることのない馬鹿穴。そう考えると馬鹿穴って不憫です。
組立家具などは、穴にナットが溶接されていたり、タップが切られていたりして、簡単にボルトを締め込めるようになっています。
馬鹿穴は、ただの(締め込み用の)穴です。
馬鹿穴って日常生活の中で使う言葉か?
私は日常生活でも使いますが、たいていは相手が???となります。
乱暴に言うと、金属を扱う仕事の人には『馬鹿穴』という言葉は通じます。
そうでない人には通じないことの方が多いですね。
馬鹿穴は救世主的存在
馬鹿穴を開けるシチュエーションは、穴を開ける位置が少しズレて、ボルトが入らなくなった時、ボルトの相手方のナット部分のネジ山がバカになった時、ネジの頭が潰れてしまい、ドリルでネジを削り落とした場合など、正常な作業から外れた場合に登場することが多いです。(もちろん、最初から馬鹿穴を指定してを開ける場合もありますが)
ですから、馬鹿穴は救世主なんです。馬鹿穴で解決しないような問題が発生した場合、それは修正がおおごとになる事を意味します。
おわりに
この一週間、仕事で図面を書いていて、馬鹿穴を指定することが多かったので、『そういえば馬鹿穴って一般の人に通じるのかな?』と思ったので、この記事を書きました。
なかなか言葉では説明しにくいですが、もう少し馬鹿穴を広めたいな、と思った次第です。