今日は【今週のお題】から。
やったことがあるアルバイトというお題です。
私のバイト遍歴は
・ガソリンスタンド(1週間で自主退職)
・防水屋(3日で自主退職)
・牛乳配達
・食堂の出前持ち
・郵便配達
・工場の単純作業
・ハンバーガー屋さん(バーガーロックという超ローカル店舗。)
・裁判所執行官補助者
書き出してみるとそこそこの職種を経験しています。
それぞれのバイトでそれなりの思い出はありますが、今回のお題で取り上げるのは【裁判所執行官補助者】のバイト。22、23歳の頃の話です。(今から約35年前)
ホントは正社員として応募したのですが、1ヶ月で辞めてしまったのでバイト扱いでした。
このバイトを思い出したのは、今やっているドラマを見たから。
そのドラマは『シッコウ!!』という、裁判所執行官と執行補助者のドラマ。
『そんなドラマになるような職業ちゃうのに・・・・・』
と思いながら見てみました。
案の定、リアルとドラマではかなりかけ離れていて、自分のアルバイト時代を思い出すような描写はなく、残念に思いました。
ドラマはドラマ、ということで、私が裁判所執行官と同行して業務をしていたときの話を。(と言ってもさして思い出になるような出来事はありませんでしたが)
最初に執行官補助をしている会社に入社。
そこで裁判所執行官のこと、補助業務の内容などをレクチャーしてもらう。
・裁判所執行官は裁判官ではない
・差し押さえの品名と差し押さえの札を貼る
・補助業務では執行官の身に害が及ばないように、自分が盾になること
・裁判所執行官は債権者(主に消費者金融)からの依頼で動くこと
等々を教えてもらう。
ということなので、行く場所は『お金に困っている家庭』になります。
なかには『やむにやまれず』お金を借りてしまい、返済不能になった高齢者宅や、体が不自由で働けない人の家などもあります。
そうかと思えば、居直ったり、居留守を使ったり、攻撃的な方たちの家にも遭遇します。
最初の頃は緊張していて『仕事』をこなすことに必死でしたが、1週間もすると慣れてきて、そういう人々を見るのがつらくなってきました。
差し押さえのためにドアの鍵を解錠してもらう必要があるのですが、それに応じず『籠城』する人もたくさんいました。
その際には後日『強制執行』という名目で、鍵屋と家具家電の買取業者を待機させて、解錠に応じなければ、鍵屋さんに解錠してもらう、ということになります。
年に数回は、鍵屋さんが解錠し部屋に入ったら、住人の高齢者が首を・・・・。
という事もあるそうなんです。
もちろん、借りたものは返さないといけません。
ですが、心情的には『もっと待ってあげても』という気分になったりします。
というのも、結構な割合で『人の良さそうな』家に行くから。
金を借りて返せない人、というとイメージ的に高慢で高圧的な人を思い浮かべますが、そうではないんですね。
さらに追い打ちをかけたので、裁判所執行官と先輩執行補助者の人間性に疑問があったから。
仕事は仕事。債務者が死のうがどうなろうが知ったこっちゃない、という考えが土壌にあって、冷たく感じてしまったのです。(今考えれば『仕事に忠実』ということなんだと思いますが・・・)
世間的にも珍しい仕事をさせてもらいました。
が、私には向かない仕事だったことを思い出しました。