現在の仕事に就いて、仕事内容をしっかり把握していなかった頃の話。
いろんな『分からなかった言葉』があります。
過去の『分からなかった言葉』はこちら。
私の本職は全国的にも珍しい技術職をしています。
1年のうち、その本職が閑散期に当たる4月〜8月は本社業務を手伝う事が多くなりました。
今回は、その本社業務を手伝っていた時の話です。
今から約25年前のこと。
本職の業務が一段落つき、次の仕事まで間が空いたので本社に戻ることになりました。
年中人手不足の弱小中小企業である我社は、手ぐすねを引いて私を待っていたんです。
本社に戻るとさっそく上司に呼ばれ、Tさんと出張に行ってくれ、と言われました。
その業務は、兵庫県内の橋に関する調査業務。
私は『橋』に関する知識は皆無。不安いっぱいで出張業務に行きます。
先輩社員はおおらかな性格の人で、周囲からはイジられるタイプの人。そんな人だからほぼ面識のない私も話しかけやすく、頼りにしていました。
仕事内容を詳しく書くことはできませんが、3週間、主に兵庫県の中部〜北部の橋を調査して周り、仕事の進捗に合わせて宿泊先を転々とする日々を送っていました。
出張業務も中盤になってきて、業務の流れは掴んではいましたが、やはり橋の知識はぜんぜん付いていなかったので、橋を探すのに苦労する事態が多くなってきました。
そんな時、対象となる橋がなかなか特定できずにいる時の事。私が
「この橋が対象の橋ではないですか?」
と先輩に問うと
「いや違う。これはラーメンやし」
と返答が。
私は仕事中なこともあって、真剣モードでいたんですが、先輩が「ラーメン」と言ったのは『冗談』だと思ってしまったんですね。
ですので、(面白くもなんともなかったので)ちょっと強めの愛想笑いをしたら、先輩はムッとして
「何がおもろいねん!!」
と怒気を含んだ声音で言ってきました。
「いやいや、橋を見て『ラーメン』って。まだ朝の9時やのにもう昼ごはんの心配ですか?」
と答えると、先輩は大笑い。
今度は私がムッとする番です。
「何がおもろいんですか!!」
と、抗議すると
「ラーメンってラーメン橋のことや」
と教えてくれました。
しかし、『ラーメン橋』っていうのも初めて聞く言葉だったし、その説明を聞いてもまだ『先輩の軽いボケ』としか捉えられていません。
その時代、スマホもありませんし、インターネットも普及していませんでしたから、出張業務が終わって会社に戻るまでずっと『半信半疑』の状態。
出張から戻って、会社の同僚に聞いてみると、どうやら本当に『ラーメン橋』という橋の構造があることを知りました。
出張業務を3週間行っていると、先輩の性格も深く知ることができます。
なぜ『半信半疑』になったか、といいますと、その先輩の仕事ぶりが(いい意味で)いい加減で、言っていることが『本気』なのか『冗談』なのか、なかなか見分けのつかないタイプだったから。
『ラーメン橋』ってどういうものかを知りたい方はググってみて下さい。
イラストを書いてみたいんですが、私は想像を絶するほど絵が下手なもんで。
今の会社に入って、初めて聞く言葉が多くて新鮮さが多かったです。
今でも初めて聞く言葉もありますし、楽しいです。